【日本酒解説】実は出雲神話と地酒に深い繋がりが？飲み比べを楽しめる宿をご紹介
みなさんは日本酒発祥の地が出雲であることをご存知でしょうか？日本酒はその土地で作られたお米を使用していることが多く、地域によって味わいが異なります。
日本を代表するお酒の一つである『日本酒』の発祥がなぜ出雲なのか。今回はその所以や日本酒の特徴とともに、飲み比べが楽しめるお宿をあわせてご紹介いたします。
素敵な旅のお供となりますように。
神話と地酒（日本酒）の深い繋がり
古来より出雲地方とお酒には深い繋がりがあったと、古事記や出雲国風土記に記されています。なかでも日本酒発祥の地と呼ばれる所以の一つとなった神話が『八岐大蛇伝説』です。
『八岐大蛇伝説』は須佐之男命が八つ頭の大蛇から稲田姫を救うお話なのですが、大蛇を退治すべく用意したのが『八塩折（やしおり）の酒』といわれています。『八塩折の酒』とは何度も醸造を繰り返したお酒のことで、大蛇も夢中になって飲み干すほど甘く濃厚な味わいだったのではないかと言い伝えられています。このことから出雲には古来から高度な酒造技術があったことがうかがえます。
日本酒発祥の地と呼ばれる所以は神話だけでなく、神社にもあることをご存知でしょうか？ここからはお酒と神社の深い繋がりをご紹介します。
お酒にまつわる神社
全国にはお酒と繋がりが深い神社がいくつか存在します。今回は出雲市にある代表的な2か所をご紹介します。
佐香神社（松尾神社）
酒造の神様『久斯之神』を祀っており、約1300年以上の歴史ある神社です。出雲国風土記には「神々が集まって酒造りを行い、180日にわたり酒宴を開いた」とあり、これが日本酒発祥の地と呼ばれる所以の一つとなりました。佐香神社は年一石酒造が許可されており、宮司が杜氏を務めます。毎年10月13日には参拝客に御神酒として濁酒が振る舞われるのです。
万九千（まんくせん）神社
八百万の神が神在祭の最後に滞在し、直会を開くといわれているお社です。縁結びの話し合いである神議りが行われた後、酒を酌み交わしながら明年の再会を約束してそれぞれの帰途につかれます。
出雲の日本酒の特徴とは？
ここまで日本酒発祥の地と呼ばれる所以を解説してきましたが、全国各地の日本酒と出雲の日本酒とではどのような違いがあるのでしょうか？特に特徴的な杜氏と酒米についてご紹介いたします。
100年以上続く『出雲杜氏』
島根県には『出雲杜氏』と『石見杜氏』の二つの杜氏集団が中心となって酒造りを行っています。『出雲杜氏』が造る昔ながらの日本酒は酸度が高く、甘みや苦味のバランスがとてもいいのが特徴です。濃い味付けにも負けない味わいがあるため、山陰の特産品である再仕込み醤油ともよく合います。
代表的な酒米
島根県の日本酒は酒米の種類が多いことも特徴の一つです。
- 改良雄町
- 佐香錦
- 神の舞
- 縁の舞
- 改良八反流
- 五百万石 等
お米の種類によって味わいが大きく異なり、軟質米は濃醇な日本酒に、硬質米は淡麗な日本酒になります。
▶蔵元紹介などはこちら〈島根県酒造組合〉
日本酒の飲み比べを楽しめる宿をご紹介
出雲とお酒の深い繋がりや日本酒の特徴を知っていただいたあとは、ぜひ現地で地酒を味わってみてはいかがでしょうか？島根県内20か所以上ある蔵元の中から厳選した日本酒の飲み比べを楽しめるお宿をご紹介します。
NIPPONIA出雲平田木綿街道
約250年の歴史がある『旧石橋酒造』をリノベーションした宿泊施設で、木綿の集積地として栄えた趣ある街道にあります。ここではご宿泊の皆様に居酒文化を楽しんでいただくべく、『日本酒インクルーシブ』を取り入れています。チェックインからチェックアウトまで、常時15種類ある地酒の飲み比べをご堪能いただけます。
NIPPONIA出雲大社門前町
出雲大社から徒歩5分ほどの場所にある、町の診療所として賑わいをみせていた『旧奥醫院』をリノベーションした宿泊施設です。ここでは島根県産の食材をふんだんに取り入れたフレンチ料理と日本酒をあわせた『ペアリング』をご堪能いただけます。それぞれの香りや味わいを引き立て合う美食体験をお楽しみください。
最後に
出雲がなぜ日本酒発祥の地と呼ばれているのか。その所以が分かると情景が思い浮かび、より日本酒が味わい深く感じるのではないでしょうか？ぜひ島根県へお越しの際は出雲大社や出雲そばだけでなく、地酒にも注目していただけるとうれしいです。
素敵な旅となりますように。
